2020.12.11
「令和2年度全国高等学校ウエイトリフティング競技通信記録会」で全国1位に輝いた、女子59㎏級・瀬尾佳菜子選手と64㎏級・大島萌仁花選手(ともに倉敷商業高校・3年)のインタビュー。今回はその後編をお届けします。
Q5 普段の練習と、競技中に意識していることを教えてください。
基本はスナッチ、ジャーク(※)の練習。その後にスクワットや補強系(筋トレ)の練習です。走ったりは全然しません。週5~6日で1回2時間ぐらいです。日曜日は基本的に休みです。
[※スナッチとは…バーベルを一気に頭上まで持ち挙げる種目)
[※ジャークとは…クリーン&ジャーク。バーベルを肩まで引き上げて立ち上がり(クリーン)、そこから全身の反動を使って、一気に頭上へ持ち挙げる(ジャーク)。2段階の動作が伴う種目]
瀬尾:私は筋力が少なくケガをしやすいので、筋力が少ないなりにも腰とか他の部分に負担がかからないようにスクワットとかを頑張っています。
大切にしていることは、初心を忘れないように。初めて入賞したときの嬉しさは忘れないようにしています。ほかにも常に1位を狙っていくようにするのと、結果が悪かったとしても入賞する前の頑張っていた練習を思い出して、また練習するようにしています。
大島:私もケガしやすい。柔道をやっていたけど、身体が硬くて筋肉があるので、つい無理をしてしまいます。腰に柔道の時からの古傷があるので、腰は入念に伸ばすようにしています。心がけていることは、試合の時は周りに目を向けて、他の選手やチームのいいところを吸収するようにすることです。
Q6 今後の目標と、将来の夢を教えてください。
瀬尾:来年の世界ジュニア大会。コロナが収まっていれば12月に開催される予定です。まずは入賞を目指しています。
将来の夢はスポーツトレーナーになりたいと思っています。オリンピック選手とか世界で戦っている選手のサポートがしたいとずっと思っていて、大学もスポーツ学の学べるところです。競技もできるところまではやりたい。
大島:近い大会では、2月のジュニア大会。そこは大学生も出場しているので、試合ができるのが楽しみ。去年の大会で負けた人たちを1人でも2人でも抜かして、入賞したいと思います。大きい大会としては、瀬尾と同じでU20の世界ジュニア大会に出て、橋本菫さん(東京国際大学64㎏級)の後を追えるように頑張りたいです。競技を通しての目標は何か新記録を出したいと思っています。なんでもいいので。高校でも大学でも日本でもアジアでも。
そして、将来の夢は商業科の先生になって、倉商に戻り、ウエイトリフティングを教える側にまわりたい。商業の楽しい授業もしたい。
Q7 最後に、競技を観る人やこれから始めてみたい人へのメッセージをお願いします。
瀬尾:ルールを知るともっとおもしろく観てもらえると思います。選手のフォームのきれいなところも注目してほしい。
マイナーなスポーツだけど、やってみたら思っている以上の楽しさ、きつさ、達成感があると思うので、まずはシャフトを触ってもらいたい。肉体だけでなく、自分の気持ちにも左右される競技なので、メンタルが弱い人でも鍛えられます。
大島:観てもらいたいのは、分かりやすい所でいうと選手が入ってくるときの感じ。表情とか、オーラ、発するものがみんな違います。例えば瀬尾だったらうつむいて入ってくるので、「緊張してるんだな」とか。大きい声を出して入ってくる人もいるし、そういうところに目を向けてみるともっと面白いし、選手に共感できると思います。
もし自分でやりたいと思ったなら、まずは親とかに言わず、気軽に顔を出しに来てみてください。親に言うと女の子の場合は反対されがちなので。(笑)筋肉もりもりになるスポーツではないけれど、固定概念があるから。そっと来てください。それで楽しいと思ったり、観て興味を持ったなら、親にやりたい意思を伝えてみてください。頑張ってください。
インタビューにご協力をいただきまして、ありがとうございました。
来年から大学生になるお二人。新しい扉を開いて、素晴らしい未来を切り開いていってください。
倉敷から今後の活躍を応援しています!
瀬尾 佳菜子 選手
倉敷商業高校3年 中学1年からウエイトリフティングを始める。柔軟性が武器。
・第34回全国高等学校ウエイトリフティング競技選抜大会 女子59㎏級 準優勝 (1年時)
・令和2年度全国高等学校ウエイトリフティング競技通信記録会 女子59㎏級 1位
大島 萌仁花 選手
倉敷商業高校3年 高校1年から本格的にウエイトリフティングを始める。パワーが武器。
・令和2年度全国高等学校ウエイトリフティング競技通信記録会 女子64㎏級 1位